これからのカウンセラーに求められる資質について教えてくださいとの質問がありました。
この質問を読んでパッと頭に浮かんできたのは、道心という言葉です。
浮かんだ後で少し考えてみましたが、やっぱり、これに尽きると言っていいと思います。道心の強い人が資質のある人だ、ということになります。
道心というのを、思いつくだけ言い換えてみます。
道を求める。世俗的世間的でない何か目に見えない価値を実現したい。変化、成長したい。自分を知ろう。自分に向き合おう。
ここまで書いて、また、近藤先生から聞いた話を思い出しました。道元の言葉だそうです。
仏道をならうというは、自己をならうなり。自己をならうというは、自己をわするるなり。自己をわするるというは、万法に証せらるるなり。万法に証せらるるというは、自己の心身および他己の心身をして脱落せしむるなり。
この道元の言葉についての僕なりの理解を試みてみます。
いいカウンセラーになろうとするなら、自分を知ろうとしなければならない。自分を知れば知るほど、自分自身の自己中心性をつくづくと感じるようになり、自分に絶望する。自分というものを捨てる(忘れる)しかないと感じる。その時、我々を超えた大きなものに生かされていることを実感する。その実感によって自分も救われるし、他人が救われるための役にも立ちやすくなる。
これだときついと感じる人がいそうな気がするので、少し言い方を変えてみます。
いいカウンセラーになろうとするなら、自分を知ろうとしなければならない。自分を知れば知るほど、自分の中の深いところに傷があることを感じるようになる、傷を感じれば感じるほどそれは過去のものになる(忘れられる)。その時、我々を超えた大きなものに生かされていることを実感する。その実感によって自分も救われるし、他人が救われるための役にも立ちやすくなる。