夢 | 津川診療所 福島県 福島市 精神科 カウンセリング 精神療法 心理療法 精神分析 カウンセラー

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院長あいさつ

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夢について教えてください。夢分析について、自分の夢をどう理解したらいいか?との質問をいただきました。

 

 自由連想風に、思いつくまま書いてみます。

 自分の夢を書き留めることにしています。思い出してそれを言葉に表わす、そのこと自体に意味があるような気がします。呼吸法をする気分と似ています。意識して内面に向かう時間を取ることになる、という意味合いです。起床時すぐ書くこともあるし、数日後に書くこともあります。感じる力を育てる為の訓練のつもりですが、努力しすぎないようにしようとも思っています。書いたものを読み返して、書いた時には思いつかなかった解釈がふっと浮かぶ時があります。

 クライエントの夢に接する時に心がけていることを次に挙げてみます。まずは、夢自体を単独で分析しようとしないということです。夢を見た本人に、夢の中でどんな感情だったかを聞くことと、今現在のその夢についての感想や連想を聞くことが大事だと思っています。その夢をその人のパーソナリティー理解から切り離してはいけない、と言うのがいいかもしれません。

 色々な変装が施されてはいても、その人のより本心に近い感情が表現されている。そうは言えると思います。夢を見るということの意味は、本人にその本心に気づかせようとするものだ、という考えに魅力を感じます。その感じとつながりますが、今この夢を見る事の意味はなんだろうという視点が大事だと思っています。

 ここまで書いてきて、段々、一番言いたいことが浮かび上がってきました。

 夢も夢と全く関係のない連想も結局は同じだ、と言いたいようです。その表現型の底にある感じを感じるしかない。今まで、意識的にはこんな風に考えていなかったので、なんだかハッキリしてスッキリした気持ちになっています。質問者に感謝します。そう思ってみれば、夢の報告も、自分の気持ちを直接表現しようとの意図でなされる普段の連想も、いずれも、本心をハッキリさせるために役に立ちます。聴く側は、表に出てきたものに触れながら、本心に耳を傾け、身体感覚的にわかろうとします。自分の夢に対しても、その態度を変える必要はなさそうです。

 類型夢というか、色々な人からよく聴く夢、みんな似たような夢を見るもんだなあと感じさせられる夢というのがあります。何かに追いかけられている。空を飛ぶ。高いところから落ちる。試験を受ける。などを思い出しますが、それらの中で特に注目しているものがあります。トイレの夢です。トイレのドアが開かない。大勢順番待ちをしている。囲いが壊れている。床が水浸しになっている。便器が壊れている。便器に汚物が溢れている。などがすぐに思い浮かびます。いずれも、気持ちよく排泄できない様子のバリエーションです。この夢の場合は、その場ですぐクライエントに言うかどうかは別として、何かもっと言いたいことあるのに言えないでいるのではないか、治療状況やセラピストの側に出しにくくさせている要因があるのではないかとの仮説を立て、それを最初に検討してみることにしています。

 

 

 

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