呼吸  | 津川診療所 福島県 福島市 精神科 カウンセリング 精神療法 心理療法 精神分析 カウンセラー

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院長あいさつ

呼吸 

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「呼吸についての考えを書いてほしい」とのリクエストがありました。


 近藤先生から呼吸法を教わって30年以上になります。細々とではありますが、続けてきて、考えというより、その間に感じたことを記してみます。

 やり方は色々試しました。結跏趺坐も半跏趺坐も出来ないので、正座してみたり、椅子に座ったり、立った姿勢でだったり。今は、立った姿勢から、吐く時にゆっくり上半身を曲げ、手が床に着くぐらいのところでちょうど吐き切り、体を起こしながらゆっくり吸う、というスタイルをとることが多いです。3,40回を、出勤前と、寝る前にはほとんど必ず。時間にすると15分程度だと思います。診療の合間にも、気が向くと、同じスタイルでやっています。朝1時間ぐらい歩いて出勤するのですが、歩きながらの呼吸法を試みることもあります。呼吸に意識を向け、味わうつもりになり、苦しくない程度に。10数歩歩く間に吐き、数歩で吸う、という感じです。電車で座っている時に試みることもあります。寝ている状態でやる時もあります。その状態が腹筋を最も必要とします。

 呼吸法をやると必ずゲップが出ていたなあ、と思い出します。よくこれだけ出るもんだと思うぐらい、ゲップが続くことがありました。メカニズムをちゃんとわかっているわけではないですが、なんとなく、腹式呼吸で胃や腸が圧迫されるからだろうと思っていました。でも、とすると、最近ほとんどゲップが出なくなったのはどういうことになるのかよくわかりません。

 しばらくやっていると、身体の中の気の流れを感じるようになります。そしてまず、丹田というのがどこかがわかります。気がそこに集まっていくからです。丹田にだけでなく、顔にも手足にも気が動いて流れていきます。顔の皮膚が酸っぱいものを食べた後のような感じになり、掌がびりびりというかピリピリというか、シビレを感じるようになります。足の裏でも同じ感じを感じます。その時は、何かさわやかというか、落ち着くというか、そういう気分になっています。
 

 前にも書きましたが、僕は不安を腹部で感じます。30数年の間で、それが減ってくるのと同時に、感じる場所が、上腹部から下腹部へと下がってきました。上腹部にしろ下腹部にしろ、呼吸法の時に、呼吸に目を向け味わっていると、息がその不安の場所を通っていくという感覚になります。「不安と友達になれ」とは、僕がクライエントにしょっちゅう言っている言葉です。息が不安と重なっている時の感覚は、まさに不安と友達になっている感じです。
 

 呼吸法をしていると、色々な考え、想像、雑念が浮かんできます。意識的に呼吸を味わうことに集中しようとしても、一時は出来る時もありますが、出来ても長続きしません。さきほどの息と不安が重なっている感じの時は雑念が少なく集中度が高い感じがします。そんなことを何回も繰り返しているうちに、息を味わうことに集中する度合いが増すと雑念の浮かびようがなくなる、という感じがはっきりしてきました。こう書くと当たり前のようですが、僕にとってはちょっとした発見でした。雑念を浮かべながら運転していても曲がりくねった山道になると運転に集中するという、その感じとそっくりです。そんなことを感じるようになった頃、鍵をかける動作をしているその時に鍵をかける動作に集中していない、ということに気づきました。これに気づく前は、鍵をかけ終えてその場を離れ不安になって戻るという確認強迫がありました。気づいた後、呼吸に集中している時の感覚で鍵をかければいいんだ、と思ったわけですが、確認強迫は激減しました。その場を離れても、さっき鍵をかけた感覚がはっきり残っているので、戻らなくても済むのです。

 雑念モードから集中モードに移る時に、ある種の苦痛を伴う場合があることに気が付きました。クライエントから、「ブラックホールに落ちていくような恐怖感」という表現が出ることが珍しくありません。この苦痛を感じている時、何故かその表現が頭に浮かぶのです。そんなに怖くはないのですが、ブラックホールに落ちていくというその表現が、苦痛をよく表していると感じます。底に何があるのか何も見えない深みに落ちていきそうな、寄る辺ない感じです。でも、大抵の場合は、その苦痛はそれほど長続きせず、底のない深いところを見極めてやろうとでもいうような気持ちになります。そんな気持ちに伴って、今度は、近藤先生の言葉が思い出されます。正確に記憶しているかどうか自信がないのですが、「セラピストは海の底にいるような気持ちでいるのが大事だ。表面は、天候によっては大荒れのこともある。でも海の底は、どんな天候でも静かで波立っていない」というような内容だったと思います。
 
 

 

 
 
 
 







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