精神分析は宗教か その二 | 津川診療所 福島県 福島市 精神科 カウンセリング 精神療法 心理療法 精神分析 カウンセラー

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精神分析は宗教か その二

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 このブログで何回も繰り返している、我々を超えたものに生かされているという表現。僕にはこの表現がピッタリしたもののような気がするのですが、こう表現するにふさわしい感覚があるとしたら、その感覚を十分に実感することを宗教的体験と呼びたい。
 その体験が出来ることを、そして更にその体験が深まっていくことを、人生の目標として生きる暮らしを宗教的生活と呼びたい。
 宗教という言葉をそのように使っていいなら、精神分析の目指すところと完全に一致する。

 僕の言いたいことはこれに尽きるんです。

 それでは身もふたもないと言うか、終わってしまうので、この結論からの連想を述べる、というやり方で先に進んでみることにします。

 人生の目標というところからの連想をまず書いてみます。

 あなたの人生の目標は何ですか?との問いに対して、僕には、ここまでは確信を持って言えるという答えがあります。それは、幸せを実感したい、というものです。心の底から疑いなく「ああ幸せだなあ」と感じたい。そう感じられる時間がしょっちゅうあるのがいいし、できたらいつでもそう感じていたい。僕にはそれ以外の人生目標が思いつかない。

 この願いは自己中心的なものなのでしょうか?自分が幸せであると実感したい、という文をすっと読めば、まさに自己中心そのものだ、という感じもします。でも、自分が幸せを実感しないで他人の幸せを願うのというのがなんだか嘘くさい、とも感じます。ということは、この願いを自己中心性の表れだと断定しなくてもいいのかもしれません。ここまで書いて、改めて、はっきりしてきたことがあります。この願いが自己中心的なものであろうがなかろうが、それはどっちだってかまわない。どっちだろうが、この願いを実現したい。そこには迷いがない。

 では、自分はどうなれば幸せを実感出来るのだろう?

 近藤先生の分析を受けるようになるまでは、飲む打つ買うの三拍子揃った人間になることがそれだと思っていた節がある。快楽を極めることが幸せだと思っていた、と言ってもいい。そして、そんな人間になれるように僕なりの努力はしていた。でも、その努力はどうやら幸せの実感には結び付きそうもない。むなしいもののようだと気づかされた。そこは、このブログのどこかに書いた記憶があります。

 金持ちになること、地位や名誉を得て、有名人になること。次に浮かぶのはその二つです。

 金持ちには憧れます。衣食住どれをとっても、お金のかかったものはそうでないものより大体はいい。海外旅行ならファーストクラスに乗ってみたいし、自家用ジェットの方がもっといい。ホテルもスイートがいい。僕は酒飲みで、ワインも大好きですけど、出費を気にせず、高級レストランで値の張るワインを注文してみたい。

 社会的地位を得ること、有名になること。これも憧れます。VIP待遇されて特別室でサッカー観戦をしてみたい。だれだれが来たと大勢の人に騒がれてその人たちに向かって手を振ってみたい。

 そういう経験をしてみたい、気持ちがいいだろう、と想像します。幸せ感が得られるかもしれない、とも思います。そして、努力して頑張れば、大金持ちにも有名人にも、なれる可能性が全くないわけではないよなあ、とも思います。

 でも、そこを目標として、そこに向かって努力しようという気になれない。自分に、頑張れるか、と問いかけると、いや無理だ、その気になれない、という答えが返る。仮に無理やりやってみても長続きしない。そこには妙に確信がある。

 一方で、我々を超えたものに生かされているという体験。日々の生活の中でそんな風に感じながら生きられたら、それが最も幸せなことのような気がする。そんな気はしても、疑いは生じる。本当にそれが最も幸せなことなのだろうか?大金持ちになったり有名になったりして普通の人にはとてもできない体験をする。本当にそれ以上の素晴らしいことなのだろうか?仮にそうだとしてもそんな体験をすることが自分に果たしてできるのだろうか?そんな風に、疑いは次から次へと湧いてくる。

 疑いは尽きないけど、そういう体験に至ることができるかもしれない道を歩いてみる気にならないか。誰かにそう問われたら、うん、と答える。そこにあんまり迷いはない。その道を歩こうとする努力なら自分にもできそう、続きそう。
 
 "人生の目標"からの連想で、ここまでたどり着きました。以上のようにはっきりと自覚して生きてきたわけではありません。が、改めて書き出してみると、どうも自分はこんな気持ちで生きた来たみたいだ、嘘をついている感じはしない。そう思えてきました。
 

 


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